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雨の日 私はあてもなく 傘もささずに歩いていた。 "疫病神" "アンタなんて引き取らなければ良かったよ" "いっそのこと出て行ってくれれば楽なのに" 頭の中で リピートされる言葉の数々。 最初から私には 居場所なんてなかったんだ…… 「キミも捨てられたの?」 ダンボールの中に入って か弱い声で鳴く真っ白な子猫を抱きしめる。 「……私と一緒だね。」 「だったら、俺が拾ってやるよ。お前らふたり」 「え?」 これが 私と彼の出会いだった。 .
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