5/13
前へ
/110ページ
次へ
「えっと、コピーが終わったら、きゃっ」 コピー室に 向かっていると 急に背中を押され バランスを崩して転けてしまった。 「あら、いたの?」 「全然気づかなかったわー。だって、あまりにも影が薄すぎて、ねぇ?」 「……」 顔を 見なくても 声とキツイ香水の香りで 秘書の先輩たちだと嫌でもわかってしまう。 私は 多分、いや確実に この人たちに嫌われている。 私的には特に 何かをしたわけではないけれど きっと私は知らない間にこの人たちの 機嫌を損ねるようなことをしてしまったんだと思う。 「悪いついでに、これ、お願いしていいかしら?」 「あと、これも、お願いできる?」 「……わかりました。」 「ありがとう、天音さん」 先輩たちから 頼まれた仕事の数々は 到底、終業時間までに 終わりそうになく残業が確定した。 .
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

230人が本棚に入れています
本棚に追加