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数年後。
「社長、今日は10時からリモート会議。そのあとは会食を挟んで、視察があります」
私は
あの雨の日
柊木グループの
息子、柊木拓さんに拾われ
彼の専属秘書となり日々働いている。
「会食はキャンセル」
「ですが」
「忘れたのか?俺の言ったことは絶対だ。キャンセルしろ。」
会食相手の
データをまとめた書類を見るなり
キャンセルと冷たく
言い放った社長は書類を破り捨て席を立つ。
「……唯花。お前、この会食の意味を知ってて俺に話したのか?」
「……はい」
「これからもこういった裏がある会食はしないし、お前の思惑通りにも動かない。出かけてくる」
バンっと
荒々しい音が響き
社長は社長室から出て行った。
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