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サラッと
言われた言葉に
驚きのあまり
大きな声を出してしまい
その声にそれまで口喧嘩をしていた
ふたりは冷静さを取り戻したのか口喧嘩をやめた。
「ほら、だから結婚指輪つけてって言ってるのに」
「俺、指輪とか苦手なんだよね」
東堂さんが
結婚してるなんて……
社内でもそのことを
知っている人はいないような気がする……
「改めてまして、東堂香恵です。」
「あ、天音唯花です」
「やっと会えた」
「え?」
「いつもふたりから唯花ちゃんの話聞いてて、会いたいなって思ってたんだけど、拓が会わせてくれなくて強行突破で会いに来たら、唯花ちゃんがバカ女と歩いてるのが見えたから気になって後つけたの」
「後つける前に止めろよな。こっちはお前のせいで仕事放り投げて全力で走るハメになっただろ!」
「あら、脇の甘いアンタのカバーしてあげた恩人に随分な物言いね?」
「……」
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