[超短編]のびる

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　まさか私を主役にコンテストが開催されるとは思わなかった！

　私は仲間達の間でもそんなに有名じゃない筈なんだけど、通の人達は私のことがだーいすき。マヨネーズ片手にいーっぱい、私のことを考えて欲しいな！

　既にネット上は大盛り上がり！

「色んな解釈があって楽しめそう」
「公園とか道端とか身近なシーンでよく見かけるよね」
「成長を表すのに良いかも！」

　自分では気が付かなかったけれど、私にそんなポテンシャルがあるなんて！

　やっぱり物書きの皆さんの発想力って凄い！
　尊敬する！　大好き！　愛してる♡

　6月の頭までずぅっと、私について考えて欲しいな^ ^

　公園の近くで考えごとをする物書きさん達に、これは私からのささやかな贈り物。
　頑張る皆さんに私を味わって食べて欲しいの。

「うっ、なんだ......さっき出された草が......うっ、気持ち悪い」
「吐き気がぁ......」
「なんだ......この独特の苦味......」

　あっ、しまった。
　ついついうっかり姿の似ているお友達の水仙ちゃんと一緒にお口の中にお邪魔しちゃったみたい⭐︎

　倒れて動かなくなった物書きさん達のノートを覗き見ると”身長が伸びる”とか”〆切が延びる”とか、”激闘パンチを喰らってのびる”とかそんなので……。

　もしかして私のこと、知らない！？

　えっ、今回のコンテスト、”野蒜(のびる)”なんですよね！？

ーーおわり