衝撃の告白

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もう一度、瞬は速川を抱き締めて唇を重ねた。息を継ぎ角度を変えて再び重ね、舌先で速川の唇を割って中に入り柔らかな舌に舌を絡めた。吐息のように漏れる速川の声。 「しゅん…っ……好きっ…」 「俺もだよ……さくらっ…」 深く舌を絡ませ合う2人。少し苦しそうにする速川に気づき、瞬はハッと唇を離し速川から離れた。 「ごめん! 苦しかった?」 「うん…ちょっと…」 「ごめん。大丈夫か?」 「うん…」 「さくら、俺と付き合ってくれる?」 「うん…」 「すげぇ嬉しい! ありがと」 「ううん、私こそ。瞬、ありがと…」 「じゃまずは、ゴールデンウィークが明けたら、病院へ行こう」 「えっ…」 「さくらの体は、もうさくらだけのものじゃない。これからも元気でいる為には、きちんと検査を受けておかないと。大変な手術に耐えてくれた心臓と体に失礼だろ? もっと大事にしろよ」 「瞬…」 「それに、さくらに何かあったら俺も心配するし悲しい。さくらは好きな人にそんな顔をさせるのか?」 「ううん。心配させたくない……笑ってて欲しい…」 「だろ? じゃ、病院にはきちんと通わないとな」 「でもね先天性の病気は小児科から一般に変わる時、担当医が変わるの。私が通っていた病院では、小児循環器専門医がいて18歳まで診てもらってた。けど大学生になってからは循環器内科に移る事になって、22歳まで診てもらっていたんだけど、担当医が別の病院に行く事になったの…」 「そっちの病院に通う事は?」 速川は首を横に振って話す。 「遠くて通えなかった…」 「じゃ、別の先生が担当になるのか?」 「うん。でも一般の循環器内科には、成人の先天性心疾患を診てくれる医師が少なくて、病院を探している内に仕事も忙しくなって……この2年通わなくなってた…」 「そっか。もう一度探そう。俺もゴールデンウィーク中、探してみるからさ」 「うん。実家に帰って、両親にも訊いてみる」 「うん……さくら、これからは俺と生きて行こう。一緒に楽しく笑ってさ」 「うんっ!」 公園から社へ戻る車の中、2人はゴールデンウィークの話をもう一度する。 「休みの間、電話でもLIMEでもいつでもして」 瞬がそう言うと、速川は微笑んで答える。 「うん。実家から早めに帰ってくるから、瞬、デートしてくれる?」 「うんっ! じゃ、帰ったら連絡して」 「分かった。お土産、何がいい?」 「何でもいいけど……そうだな。さくらとお揃いのものがあると、これから別々の仕事になっても頑張れるかな…」 「ふふっ、分かった。じゃ、何かお揃いのもの買ってくるね」 「うん」 交際を始めた2人は、そのままゴールデンウィークの大型連休へ入った。
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