プロローグ

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プロローグ

  『このアプリを閲覧しているということは  あなたには復讐したい相手がいるということですね?』  暗く灯りの消えた部屋に、アプリの画面から放たれる白い光だけがこの場を包んでいた。  画面を見つめていた松本美晴(まつもとみはる)は思わず唾を飲み込んだ。  これで本当に夫に復讐ができるのだろうか。半信半疑でダウンロードしたチャットアプリは、とんでもないことを美晴に聞いてきた。 『あなたは 本当に復讐を望みますか?』 (私は――…)  青白く光るスマートフォンの画面に美晴の震えた指が伸びる。  彼女が選ぶのは、果たしてYesかNoか――
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