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 翌日。美晴は近くのレディースクリニックを訪れた。 「妊娠されていますね。今、8週目ですよ」  診察室でクリニックの医師から妊娠の報告を受けた。 「ほんとうですか…?」 「はい。元気に育っていますよ」 「ありがとうございます…う……ううっ」  その場で号泣する美晴に女性医師は「おめでとうございます」と微笑んでくれた。彼女は多くを語らなかったが、妊娠するまでに辛い治療を乗り越えてきたのだろうと察してくれた。  ようやく待望の待望の第一子を授かった。美晴は涙を流して喜び、帰宅してすぐ夫が仕事中とわかっていたがどうしてもすぐ報告をしたくて連絡を入れた。 「幹雄さん、私、妊娠していました!!」 『そうか、よくやった。美晴のこと疑うところだったぞ』 「はい、もう大丈夫です。ありがとうございますっ…!」 『すぐ母さんに連絡しろよ』  もちろんですと頷いて電話を切り、そのまま義母に連絡を取った。 『あらあらぁ。石女かと思っていたのに違ったのねぇ』  今日ばかりは嬉しくて、義母の嫌味も気にならない。 「はい。ご心配をおかけして申し訳ございませんでした」 『まさか、あなたが妊娠する日が来るなんて』 「はい! 今までお見守りくださり、ありがとうございます!」  これで切望していた松本家の跡取りを義母に抱かせることができる。嫁としての務めをこれで果たせるのだ。心の底から安堵し、新しい家族が増える喜びを噛みしめた。ほんとうの家族として認められる日が来るのだ、と。
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