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  『今までは人運がなかっただけです。まもなく素晴らしい出会いがあるでしょう』 ――ありがとう。 『いいえ。美晴さんのお役に立てたのならなによりです。なんでもお申し付けください』  美晴は考えた。今まで久次郎のことを精査してきたから、愛人情報がたったこれだけの写真だけではないと思った。 ――私が相原さんの情報をアプリに教えたように、こずえの情報を提出してくれた人がいますよね? もっと他に証拠があれば見せてください。 『もちろんです。上原さんに関する情報を美晴さんと共有します』  アプリから回答があった後、チャット画面上に次々とスクリーンショットの画像が投稿された。多岐にわたるやり取りが綴られている。 『こずたんに会えるのが楽しみでしゅ♡』  恐らくこずえとのメッセージアプリのやり取りを画像にしたものだろう。赤ちゃん言葉が並んでいる。たった一文で思わず吐き気がした。おしゃぶりを使っている夫を想像すると背筋がぞっとする。気持ち悪い夫の趣味はまったく理解できなかった。 『お昼からこずたんと一緒で最高でしたぁぁ♡♡ 今日はいよいよお泊りできて嬉しいのにぃ、むかちゅくことがありまちた! 今日出張だって言っておいたのに、クズ嫁は着替えも用意していなかったのでしゅー! 僕はプンプンでしゅー!! こずたん慰めてほちいでしゅ♡』 『いいわよぉ♡ たーっぷり慰めてあげる♡』 『わーい♡』 『あぁん早くみきくんと結婚した~い♡ そうしたら毎日慰めてあげられるのになぁ♡』 『ほんとでしゅ♡♡ 早くこずたんと一緒になりたいでしゅ♡♡』  気持ち悪すぎて読む気が失せてしまう。吐き気を堪えるのに苦労した。
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