1676人が本棚に入れています
本棚に追加
口元を押さえながらメッセージに目を通した。読み進めていくうちに、美晴はあることに気が付いた。すべてのやり取りには、メッセージアプリで行われているために日付が入っている。
『お昼からこずたんと一緒で最高でしたぁぁ♡♡ 今日はいよいよお泊りできて嬉しいのにぃ、むかちゅくことがありまちた! 今日出張だって言っておいたのに、クズ嫁は着替えも用意していなかったのでしゅー!』
お泊り、出張、着替え――このワードに日付。
この日付は忘れもしない、美晴が病院で流産した日だ。幹雄は体調不良の妻に罵声を浴びせて放置し、病院にも連れて行ってくれなかった。
その夜、夫は出張ではなく愛人と気持ち悪い逢引を果たしていた――
「う”あ”あああああああ――――っ!!!!」
美晴は発狂した。やはり復讐アプリの言うことは本当だったのだ!!
こんなクズたちのせいで、大切な子供を失ってしまったなんて。
許せない許せない許せない!!
絶対に、死んでも許すものか!!!!
二人には地獄の底の底を見させてやらなければならない。憎しみでいっぱいだ。
もし目の前に二人がいたならば、警察に掴まって残りの人生を棒に振ってもいいから刃物でめった刺しにしたいくらいの気分だ。殺してやりたい、殺してやりたい――この思いを言葉に表すのはとてもできないほどの深い憎しみを抱いた。
――決めました。私、どんなことでもやります。彼らに復讐をします。最高に華々しく彼らを散らせるお手伝いをしていただけませんか!?
怒りで震える指でメッセージを作って送信した。するとアプリからは頼もしい回答があった。
『もちろんです。そのための復讐アプリですから!』
最初のコメントを投稿しよう!