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美晴はぐっと涙をぬぐった。冷静になってもう一度証拠を見返してみる。アプリは自分の味方だと信じることにしたが、しかし、どうしてここまでの情報を持っているのだろうか――疑問に思ったので美晴はアプリに尋ねてみた。
――この情報は信頼できるもので間違いありませんか?
『もちろん信頼できるものです。この復讐アプリを運営するわたしの会社は、サレた人達を救済するために出来上がった会社になります』
当然だが、運営している会社があるのだ、と美晴は思った。
いったいどんな人たちが運営しているのだろうか。会社という響きに少し安心を覚えた。
『個人情報については、情報収集が一番困難です。そのため、当社は復讐アプリ以外にこのようなサービスアプリを展開しています』
アプリからなにやらURLが送られてきた。クリックしてみると、『秘密の出会い系アプリ・Match(マッチ)』というサイトが表示された。どこにでもあるようなマッチングアプリのチャットアプリだった。
・カンタン無料!
・必要なものは電話番号のみ!
・完全プライベートで利用可能!
・好きなひとといつでも繋がれる秘密のチャットアプリ『Match(マッチ)』
(こんなチャットアプリがあるんだ……)
サイトを見ると、見本の画面が付いている。秘密のダイアリーや思い出共有など、動画や画像を共有できるようになっていた。これについてはサーバー維持料金が発生するようだが、SNSのストーリームービーのように数時間から一日ほどで消えてしまうものは無料で利用できるようだ。
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