1685人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
『このアプリを閲覧しているということは
あなたには復讐したい相手がいるということですね?』
暗く灯りの消えた部屋に、アプリの画面から放たれる白い光だけがこの場を包んでいた。
画面を見つめていた松本美晴(まつもとみはる)は思わず唾を飲み込んだ。
これで本当に夫に復讐ができるのだろうか。半信半疑でダウンロードしたチャットアプリは、とんでもないことを美晴に聞いてきた。
『あなたは 本当に復讐を望みますか?』
(私は――…)
青白く光るスマートフォンの画面に美晴の震えた指が伸びる。
彼女が選ぶのは、果たしてYesかNoか――
最初のコメントを投稿しよう!