胡蝶之夢

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***** 「寝ちゃったか」  家族全員分の食器を洗い終えてふとリビングを見やると、ソファでドラえもんのぬいぐるみを抱いたまま玲羽は象牙色の丸い頬にお下げ髪の片方を貼り付けるようにしてすやすやと眠っていた。 「今日は英語があるのに」  二時半に家を出て三時からのクラスに出る。  壁の時計は一時半を回ろうとしている。  後一時間は猶予がある。  そう頭の中で計算しつつソファの娘の肩まで包むようにしてライトブルーの地に白い蝶の模様が入ったブランケットを掛ける。  正直、これは玲羽が赤ちゃんの頃から使っていて生地もくたびれているのだけれど、この子のお気に入りなので夜寝る時はもちろんお昼寝のお供にも使っている。  それはそれとして、私も少し眠いから少し横になろうか。
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