埴輪マン 古代からのメッセンジャー

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埴輪が壊れると七色の光が溢れ出し、その光が僕の身体に纏わり付いた。 「ガァーッ!」 化け物の目も元に戻り僕の方に向かってくる。 光が収まると僕の身体には鎧のような物が着いていた。 化け物が繰り出したパンチを難なく受け止める。 「これが埴輪の力?」 化け物の攻撃が続くが、身体と言うより鎧が勝手に動いて防いでくれる。 「博士!止めて下さい!」 僕の言葉は松井博士には届いていない。 『諦めろ、身体を乗っ取られている限り人間の意識はない』 頭の中に埴輪の声が聞こえる。 「…やるしかないのか?」 喧嘩もしたことがない僕が、化け物相手にパンチやキックで戦っている。 「ガァァァーッ!」 化け物は背中から翼を生やし飛び上がった。 「あいつ、飛べるのか?」 『気を付けろ、奴は完全に覚醒したぞ』 化け物の周りにどす黒いガスが発生している。 ガスは次第に化け物の右手に収束していく。 まるでブラックホールのようなガスの塊を僕に投げ付けてきた。 僕は腕を身体の前でクロスさせ防御したが…。 「うわぁぁぁーっ!」 その半端ない衝撃に吹き飛ばされてしまった。 『あんな攻撃はなかったはず… 奴らは進化するのか?』 化け物は黒い塊を次々と投げ付けてきた。 黒い塊は避けても追いかけてくる。 「なんなんだよ!?」 自動追尾のミサイルのようだ。 「うわぁぁぁーっ!」 避けきれなかった。 『仕方ない、お前の魂の力を少し借りるぞ』 「僕の魂?」 何のことか分からなかった。
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