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『魂力注入!』
埴輪の合図と同時に鎧が金色に輝き出した。
黒い塊もすぐに直撃したが…。
「あれ?…平気だ」
『お前の魂は素晴らしいな』
防御力が大幅にアップした。
しかし相手は宙に浮いていて攻撃が出来ない。
「もうあの黒い塊は平気だけど、こっちは何も出来ないのか?」
『今のお前なら弓が引ける』
「弓?…弓なんて射ったことないよ」
『形だけ真似すればいい』
僕は言われた通り弓を引く真似をした。
「えっ?弓がっ!」
真似した手に光の弓と矢が現れた。
『射て!』
放たれた光の矢は化け物の翼を射ち抜いた。
「ギャーッ!」
片翼を失った化け物は地上に落下した。
『よし、腰の剣を抜け!』
「剣?…これか?」
左腰の柄を握って引き抜いた。
5~60㎝程度の両刃の剣だ。
剣での戦いも鎧が勝手に動いてくれて、化け物を倒す事が出来た。
「やったぁ!倒した!」
倒れた化け物の姿は徐々に松井博士に戻っていった。
僕は博士に駆け寄った。
「博士!大丈夫ですか!?」
しかし、博士はもう事切れていた。
『…遅かったようだな
悪しき魂に彼の魂は耐えられなかったのだろう』
「そんな…博士…」
僕は泣き崩れた。
『悲しむのは後にしろ…
すぐにこの場を離れるぞ』
僕の意思とは関係なく鎧が動いて古墳を離れた。
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