埴輪マン 古代からのメッセンジャー

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「…ところで名前はないのか? お前じゃ呼びづらいよ」 『私に名前はない』 特撮ヒーローだったら見たまんまの名前になるだろう。 「だったら…、埴輪から出てきたハニワン…は?」 『…ハニワン、…名前を貰えるとは思わなかったな ありがとう』 心なしか声が嬉しそうに聞こえた。 (…ってことは、ハニワンの力で変身した僕は埴輪マンになるのか?) そんな事を思って苦笑いした。 「僕は西条大和、西条でも大和でも呼び易い方で呼んでくれていいよ」 『ヤマト?…昔、ヤマトタケルという男に悪しき魂退治を頼んだ事がある お前、…いや、大和とは何かの縁があるのかも知れないな』 にわかには信じられない名前が出てきたが、同姓同名と言う事もある。 「ハニワンを作った文明はどうなったんだい?」 『私が生まれた時には、悪しき魂によって滅亡の時を迎えようとしていた 残った人間と共にその悪しき魂は退治したが…』 日本の有史以前にそんな文明が本当にあったのか? 考古学を専攻している僕には信じられない話しだが、松井博士の「現在の歴史が必ずしも真実じゃない」って言葉が頭を過った。 聞きたい事は沢山あった。 「そういえば、あの戦いの中で僕の魂の力を借りるとか言ってたけど、あれはなんだったの?」 『人間の魂には魂力(こんりょく)という力がある 私の真の力は人間の魂力を得た時に発揮される 魂力はその人間の生きる力だ… あの程度ならすぐに回復するから安心しろ』 「…それって使い過ぎると死ぬって事?」 『ヤマトの魂力なら何も問題ない』 ハニワンは力強く答えた。 あの時、鎧が金色に輝いたのも、光の弓矢が使えたのも魂力とかいう力のおかげと言う事なんだろう。
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