埴輪マン 古代からのメッセンジャー

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数日は何事もなく、久しぶりに大学へ行った。 「西条、もう大丈夫なのか? お前もあの古墳にいたんだろ? 松井博士は残念だったな…」 友人に声を掛けられた。 「ああ…、博士を助けられなかった…」 「…お前のせいじゃないさ」 僕がもっと早く化け物を倒せていれば…。 友人と別れてすぐに黒い影が飛んでいるのを見付けた。 「あれは!」 『大和、悪しき魂だ!』 僕はすぐに黒い影を追いかけた。 すぐに倒せば松井博士のような事にはならないと信じて…。 「どこだ?どこへ行った?」 校舎の裏側辺りで見失ってしまった。 「きゃあぁー!」 悲鳴のした方へ走った。 数人の生徒がいるが、一人だけ黒いガスを纏っていた。 「あれだ!」 『大和!行くぞ!』 ハニワンの力で鎧姿になった。 「そこまでだ!悪しき魂!」 「…何者だ!?」 まだ角が生えただけで身体まで変わっていない。 「ぼ、僕は…、埴輪マンだ!」 やっぱりこれは少し恥ずかしい。 しかし、そんな事を言っている場合じゃない。 「…我を滅する者だな?」 『大和、今なら剣で断ち切れる!』 僕は剣を抜き、奴に斬り掛かろうとした。 「きゃあぁぁー!」 奴は近くの女性を盾に捕った。 「クックックッ…、どうした?掛かって来ないのか?」 奴の鋭い爪が彼女の首筋に当たっている。 「卑怯だぞ!」 「クックックッ…、どうする?このままこの女が死ぬのを眺めるのか?」 奴は歪んだ笑顔を見せ付けた。
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