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「よ~し。詰めたぞ~。どれ位持っていけるかな?」
あ……
完全に楽しんでた
冷蔵庫の方へ向かうと……1袋の量!
「ありがとうございます。えっと…じゃあ、とりあえず2袋でもいいですか?」
「うん。凄く助かるよ……え~っと…自己紹介まだだったね?俺は、白峰 彩雪」
「あ、俺は、天海 雪です」
ドサッ
「あっ!」
白峰さんの持ってた袋が、手元から落ちる
「うわ…ごめん!はい……2袋ね」
「ありがとうございます!」
「えっと……雪君は、高校生?」
白峰さんが、残りの袋を、冷蔵庫に詰め込む
「大学1年です」
「そっか……大学生かぁ」
「はい」
バタンと冷蔵庫を閉めて、白峰さんが立ち上がる
俺より…10cm位高いかなぁ
「突然、家に連れ込んじゃって、ごめんね?」
「いえ。友達が喜びます」
昨日…なんか変な感じになっちゃったし
イチゴは、夏の大好物だから
役立ってくれよ?
「お友達に、どんどん食べてねって言っておいて?」
「ははっ。1日中食べてるかもしれません。それじゃ、お邪魔しました」
「いえいえ。助かりました。またね」
「はい」
家に入り、冷蔵庫を整理する
まさか、偶然会った人が、同じ階の住人だったとは……
ま、超いい人だったから、良かったけど
「これで……なんとか……こうして……入った!」
夏は、ご飯食べて来るかなぁ
聞いときゃ良かった
とりあえずシャワー浴びるか
あ…手首のシップ、白峰さんに、見えてたかな?
まあ、怪しまれてなさそうだったから、いいか
頬っぺの絆創膏を剥がして、鏡を見る
「ん~…ちょっとは腫れ引いたか……そんな凄い色にもなってないけど……」
案外、早く治るかも
シャワーを浴びなら思い返す
小さな頃、母さんと買い物に行くと、たまに泣き叫んでる子が居た
「買ってくんなきゃやだ~」
「あれ欲しいの!」
「やだやだ!こっちじゃなくて、そっちがいい!」
そんな風に言えるのは
買って貰える可能性を信じきってるからだ
買って貰えるなら…
こっちでもそっちでもいいだろが
って思ってる子供なんて、可愛くなかったよなぁ
母さんはきっと…言えば何だって買ってくれたかもしれない
けど…
そのせいで、他のお母さん達みたいな
綺麗な色の服を着れないのかと思うと
やっぱり、そっちの方がずっと悲しいから……
「はぁ……」
ソファーにドサッと座る
「あ…」
旭陽さんに、郵便物の連絡しなきゃ
並べて、何枚かずつ写真に収めて、送信っと
「ふぅ……」
ゴロンとソファーに横になる
旭陽さんは……
俺の父さんの事、知ってんのかな
母さんと旭陽さんが言ってた人と
ばあちゃんが言ってた人は、別人のようだ
普通に考えたら、母さんと旭陽さんの言ってる事を信じたいとこだけど
ばあちゃんは、俺が可哀想とか、子供だからとか全然思ってなさそうだったから
「そっちのが……信憑性ありそうだよなぁ」
どれだけ成長したって
どれだけ血を流したって
俺の中から、汚らわしい奴は消えない
「……早く……殺したい……」
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