雪side

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「まあいいや。じゃ、おやすみ」 「いきなり?!いや、そうだよな?寝てる時間だったもんな?悪い。じゃ、俺行くわ」 夏が、立ち上がって歩き出す ……ざわっ !! 「夏!」 「何?……ぅわっ!雪?」 振り返った夏に、しがみ付く 「雪?……どうした?」 「っ…分かんない……分かんない……」 時々 急に どう表現していいか分からない、気持ちに襲われる 計り知れない……不安?寂しさ?恐怖? 自分でも、よく分からないそれは、誰かと居ないと、堪えられない 「雪……大丈夫。俺が居る」 「夏……どうしよう……どうしたら……」 「雪。大丈夫。大丈夫だよ」 「夏……夏……」 しばらく誰かと居て、安心すると、それは次第に遠退いていく 「……ごめん、夏。もう大丈夫」 「おお……横になるか?」 「……うん」 全力でしがみ付いてたせいで、疲れた…… おまけに、全身汗びっしょり とりあえずベッドに横たわる 「タオル、持って来るな」 「夏…体、大丈夫?俺…凄い力で…」 「ば~か。不規則な生活してる、お前の凄い力なんて、知れてるわ。ちょっと待ってろ」 でもきっと……背中、傷付く位…… 眠い…… 一気に疲れた…… 「雪……タオル、持って来たぞ」 「……ありがと」 適当に、顔だけ拭いて、枕にする 「おい!顔なんか拭かなくたっていいんだよ!体の方を拭かなきゃ、風邪引くだろが!」 「……眠いから……いいや……布団…掛けて……」 もう、限界…… 母さんが…死んでからだ…… あの……どうしようもない…… 説明出来ない…… 説明出来ても…… どうする事も出来ない感覚…… たまたま…いつも…… 夏が居る時だから…… 夏は……俺が、ああなっても…… 傍に居てくれるから…… ……夏が…居れば大丈夫…… もしも……夏が居なく… 考えちゃ……ダメだ…… 俺が死ぬまで……夏……近くに…居てくれるかな……
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