第一章

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3 春樹目線。 ヤスと昼飯を食べ始める少し前。 「なぁ、美波。 ちょっと良い?」 「うん、えぇけどどしたん?」 「いや、実は相談と言うかお願いがあって……。」 これから言う内容が内容なだけにちょっと気まずい。 そんな俺の反応を受けてか、美波は一瞬真面目な顔になったかと思うと…今度は一瞬にして目のハイライトが消えて……消えて!? 「え?まさかせっかくヨリを戻したのにまた別れたいとか言わんよね……? あんなに必死に告白して来たのに…? もうウチに興味無くなったん? ウチ以外に好きな人で来た? もしそうじゃったら……」 「待って!?目が怖いから!? そんな事言わないって……てか言ったら何するつもりだったの!?」 「春樹が紛らわしい言い方をするけぇいけんのよ……。 恨むんならそんな自分を恨んでよね……?」 「だから怖いって!?違うから!そう言うのじゃないし美波の事は今も変わらず…す、好きだから……!」 うぅっ……こうして面と向かって好きな人に好きって伝えるのは付き合ってる相手でもやっぱり照れる……。 「変わらない……ね。」 「もう……!もう……変わらないから!」 いや実際分からなくなってた時もあったけど! 「ふぅん……?」 どうやら納得したみたいで、満更でもないような表情を浮かべる美波。 「そうじゃなくてさ……その…これから昼食べる時さ、ヤスも一緒じゃ駄目かなって……。」 「え?なんで?」 まぁ……そう言う反応になるよなぁ……。 「いや、もちろん美波とも一緒に食べるけどさ、その……ヤスもほっとけないと言うか……。」 「え……急にどしたん……?何?春樹って実はそう言う……? 流石にそれはウチも予想外なライバルが過ぎるんじゃけど」 「違うからな!?無理やり話をそう言う方向に向けないでくれない!?」 「じゃあ何?」 「その……アイツさ、いつも一人でいるだろ? だからたまに心配になると言うか。」 「ふぅん、でも中川君ってそう言う感じじゃない? 一人が好きそうと言うか。」 「まぁそうだけどさ……。」 「実際春樹よりもしっかりしてる様に見えるけど……。」 「うぐっ!? 確かにその通りだけども……! いつもお世話になっておりますけども!! でもそんなにハッキリ言うかね……。」 「はははー。」 「笑って誤魔化された!? …多分だけどアイツが一人でいるのはただ寂しいって言えないだけなんだと思うんだ。」 「うーん……ウチにはそんな風に見えんけどなぁ……。」 「アイツさ、小さい頃に母さんを病気で亡くしててさ。」 「え!?中川君って……そうなんじゃ…。」 「元々母さんっ子だったのに、泣くの我慢して寂しいなんて言わなかった。 俺なんか大泣きだったのに。」 「それは分かる気がする。」 ふぇーん…彼女が辛辣だよう、、。 「多分それってさ……天国の母さんに心配かけたくないからだと思うんだよ。」 アイツが本格的にしっかりし始めたのそれからだし。」 「そう……なんじゃ。」 「うん……だからその……って美波!?」 ここで美波号泣。 「ごめん、ウチこう言う話に弱くて……。 続けて……?」 「あ、あぁ。 アイツの母さんからも頼まれたんだ。 ヤス君の事宜しくねって。 一人にしないであげてねって。 意地っ張りだけど本当は寂しいって言えないだけだと思うからって。」 「お母さん良い人だ……。」 「だから……そのごめん、言い訳になるけど前まで一緒に食べれてなかったのアイツと食べてたからってのもあって……。」 「そっか……。 でも……それなら確かに心配じゃね。 うん、分かった。 ウチも春樹の幼なじみと話してみたいし一緒に食べよ。」 「ありがとう!」 ってな訳で今に至る訳だが。 「あんまり歓迎されとらんかったね。」 「まぁな。」 「まぁ……実際カップルの中に一人だけ混ざるって気まずいかなとは思うけど……。」 「うぐっ!?」 「でもこのままじゃ駄目よね……。 寂しいけど二人で食べる日とお互い友達と食べる日で週に何回かとかにする?」 「いや、もう美波を放置したりしたくない!」 「は、春樹。」 「……でも実際はそうも言ってられないよな。 美波が言う通り気まずいってのもあるし。」 「歓迎もされとらんしねー。」 「うぐっ……そ、そうだな。」 どうするかなぁ……。
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