4月 ②

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わからないなりに、改めて考えた。 ……なぜ私は今、医療センターに? 確かアパートに居なかったアルジュンを探して。 私と直弥が婚約していることを知っていたアルジュン。ボホウ様の耳にも入り、偽弁護士と妻と名乗る女性が来た。 アルジュンがボホウ様に伝えたせいで。 「やっと整理ができてきたようだな。俺らはボホウ様に密告したのはアルジュンだと思った」 「……思ったって過去形ですか?私は今もアルジュンかもと思っています」  「じゃあ、居酒屋から出てすぐに倒れ、意識を失ったアルジュンさんがどうやって伝えたんだ?テレパシーか?今、目を覚ましたばかりで、すでに偽弁護士は知っていたんだぞ」 「それは……メールとか電話とか」 「意識がない状態でか?」 「誰か仲間が来てくれたとか……」 「一人で倒れて、一人で緊急搬送されたらしい。仲間が来たとしても、意識が無かったら話せない」 「じゃあ……えっと……私との食事中にこっそり連絡したとか?」 「2人だけで真剣な話をしているのに、そんな様子はあったか?」 「……いえ、まったく」 声も体も小さくなっていく私に、乾いた口調で近藤課長は言う。 「アルジュンさんじゃない。他にいる。希子を売り飛ばしたやつが」
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