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多様性、LGBTの人を理解をしよう、という世間とは違って設備は全然ついていっていない。
それとも日本人特有の表向きはってこと?
私が知らないだけで、マイノリティと呼ばれる人々は今の環境で色々な苦労をしていると、ユズさんの言葉で痛感した。
マイノリティとはいっても、LGBTは10人に1人居るらしい。
こんな問題こそ、政治が介入しないとどうにもできない。けれど、政治家は私腹を肥やすために一生懸命。
お金、名誉、地位。
国民から支持を受けたいのは、自分のため。大きく掲げる政策は今後の日本を考えるというより、今後の自分を考えて。
多数の支持を得るために、マイノリティは見て見ぬふり。または、マイノリティの味方と見せるパフォーマンス。
どれだけの政治家が本当に日本のために尽力しているのだろう……
そう考えながら、ふと青蜂教会がバックについている七福党を思い出す。
多数、少数関係なく、国民の幸せを考えた政策を打ち出し、任期中にすべて実行してきた。
結果、世論を大きく引き寄せて与党を脅かす存在になっている。
「希子ちゃん、ごめんね。付き合わせて」
「え、あ、はい」
難しいことを考えていたため、気づけばシャワー室の前に到着していた。
ユズさんは申し訳なさそうに苦笑いをして中へ入っていく。私はシャワー室のドアを前に、廊下へ立ってスマホを触る。
別に誰からも連絡は来ていない……いつもなら。
メッセージ1件。
誰からだろうと開くと、近藤課長の文字。
『ちゃんと夕飯は食べたか?』
まるで親。
文面を見て、ついくすりと笑ってしまう。
さっきまで考えていた難しい社会問題との高低差が激しい。
『ちゃんと食べましたよー。ユズさんとサンドイッチを』
すぐに返事は来た。
『栄養が偏っている。差し入れを持ってこようか?』
過保護だなと思いながらも『大丈夫。子供じゃないんだから』と、つい突き放した返事をした。
焦って取り消そうとすると『希子が元気無くなったら、耐えられない』とすぐに返ってくる。
意外と心配性?
『1日ぐらいだから平気。そんなに重く考えないで』
そう送信してから「あっ、これダメなやつ」独り言を呟いて、再びキャンセルしようとすると『重かったな。悪い』と返ってくる。
……やっぱり。そう受けとると思った。
言葉に思いやりがない不器用な私。
いつもは強気なのに、恋愛は弱気な近藤課長。
困った2人だなぁ……
「やれやれ」
ため息をついて、くすくすと笑ってしまう。
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