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「馬鹿だと?若気の至りじゃ済まされない発言だ」
手首を抑えながら、つばを飛ばして反論する。
「じゃあ、質問です。仕切っているユズが、こんなに時間をかけているのは、なぜかわかりますか?」
「作戦が思い付かないからだろう?こんなひよっこには重い案件だ」
頭を搔きながら「やはり、無能で馬鹿だ。公務員は特に功績を上げなくても、階級は上がっていく。それは弊害でしかないことを形にしたような人だ」肩を落とした。
「色々と言いながら、図星だろ?オカマは頭の中には、今晩どの男を食おうとしか考えていない」
鼻の穴を大きくした岩田警部補は、うらめしそうに笑みを浮かべる、
「ユズ、どういう作戦と対応を現在しているか説明してやれ」
紙の資料とタブレットを目で追いながら「今、他の捜査員に至急図面を持ってくるよう指示しています。それとあの山の上からサーモグラフィー望遠鏡を使い、立ち位置や人質の把握に努めてます」流れるようにユズさんは淡々と言った。
「他には?」
「はい、他は機動隊へ発動要請をし、どういった動きを求めるべきか、同時進行で資料を早急に作っている段階です。まだ他にも細かい調整もありますが、大きくはこんな感じです」
「よし、それでいい。俺が教えたこと、完璧にできている」
彼は教えたを強調して言うと、岩田警部補は「俺ら所轄の人間の仕事が入ってないじゃないか?これが完璧?」奥歯に力を入れていた。
「所轄の皆様はこの近辺の地理にお詳しいので、野次馬や報道陣たちが入りそうな道を監視して、止めて下さい。特に報道陣。生放送をされたら、こちらの動きが丸見えですから」
「おい、ふざけたことぬかしてんじゃねぇ。俺らが野次馬や報道陣担当だと?そんな新人がするようなくだらねぇ仕事を本当にさせる気か?刑事歴30年の俺に」
なに食わぬ涼しい顔で近藤課長は岩田警部補の前に立った。
課長の肩ぐらいしか、岩田警部補の身長はなく、一歩後退りする。
「何か問題でも?」
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