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04p:あかいあくま
「セイバー、お茶のおかわりいるか?」
機嫌をとる為に尋ねてみる。
「…それで機嫌をとろうというシロウの心は見え見えですが、頂きます。シロウもどうです?」
「そうだな、下ごしらえも済んだし、少し落ち着くか」
座布団に座り、お茶を淹れようとしたとき―
「おはよー、士郎…」
赤い服に身を包んだ学校の完全無欠優等生が食卓兼居間に訪れた。酷い顔で。
「おはよう、遠坂」
「おはようございます、リン」
「おはよー…士郎、牛乳頂くわよ」
彼女の名は遠坂凛(トオサカリン)。
ここ冬木市の管理を任されている遠坂家の当主で、生粋の魔術師。
彼女もマスターの一人で、聖杯戦争時は共同戦線を張っていた。
で、その頃の名残か、今は衛宮家に居候している。
その傍若無人なマスターのサーヴァントはというと、
「凛…私がいろいろ言うのも何だが、せめて寝癖髪ぐらい直していけ、そういう所を直さないからまたドジを踏むのだ」
こんな奴だったりする。
彼の名はアーチャー。
またもや赤い聖骸布に身を包んだ騎士で、
皮肉屋無礼気障男嫌味男な奴である。
こいつの嫌なところなど幾百も挙げられる。
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