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07p:団欒(食卓視点)
「おはようござ―あれ?なんで先輩とアーチャーさんが台所に?」
丁度食卓に現れたのは衛宮士郎の後輩、間桐桜(マトウサクラ)と、
「あらかた想像は付きます、おそらく貴女でしょう、凛」
長身艶美のサーヴァント、ライダーだった。
「まぁね。この平和な朝から騒がしくされちゃうざったいからねー」
そう返答をしている時でも台所では調理音が絶え間なく鳴っている。
罵詈雑言よりはよっぽどましな方だ。しかし、
「あ、あのー、アーチャーさんと先輩、なんか火花散ってませんか?」
やっぱり積年の恨みつらみはそう解けないようだ。
「大丈夫よ桜。まだ聖杯戦争時の<士郎に危害を加えない>命令は消えてないはずよ」
「そ、そうならいいんですが―」
その刹那、
「うー…おはよー」
まだ眠たそうな顔と声をした、年半ばの銀髪少女が立っていた。
「―あれ?シロウとアーチャーが朝ご飯作ってるの?いつもは桜が頑張ってるのに」
「ええ、姉さんが多分喧嘩の咎めとしてやらせてるんでしょう」
まだ寝ぼけ眼の少女の問いに、桜はやんわりと答えた。
少女の名は、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
第五次聖杯戦争時のバーサーカーのマスターだった子だ。
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