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「にしても、ロージーって結構評判いいんだね」
カナは言った。
あれから1週間経った休養日。
俺はカナのレストランに招待されていた。
もちろん表にはcloseの看板を出している。
俺たち以外誰もいない店内。
奥ではおかみさんが明日の仕込みをしていた。
「評判がいい? 俺が?」
と聞くと、カナは、
「主に奥様たちにだけどね」
と言った。
「子育てでリタイアしていた奥様魔法使いを働き手に採用。空き時間に稼げて、独身時代の能力が活かせて、子供の世話も任せられる。こんなシステムを考えられるってすごいって」
「まあな」
「ヤクルトそのまんまなのにね」
「おい、真実を言うな」
需要があるのは事実なのだろう。
最初は怪しまれたり邪教だと噂されたりしたが、今では誤解も解けて、働き手が向こうから来る状況だ。
配達員を多く雇えるから、配達地域が広がる。
すると新たな顧客がゲットできる。
売り上げが増え、もっと人が雇えるようになる。
「というわけで、怖いくらい順調だ」
「うらやま」
「ここまでうまくいっていると、どこかに落とし穴がある気がして気が抜けないんだがな」
「心配性だなあ。あ、自虐風自慢ってやつ?」
「ちげーよ」
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