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しかし本当にこの値段で昼飯が出てくるなら、だいぶお得だ。
それに、このメニュー……。
意を決して、店内へ。
カラコロとドアベルがなり、店員の女の子がこちらを向いた。
ボブヘアの、目鼻立ちがはっきりした子だ。
「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」
「……はい」
言われるままに、適当な席へ座る。
店内はただっぴろく、席は半分ほど埋まっていた。
「こちらメニューです。メニューの横に書かれた4桁の数字を紙に書いてお渡しください」
女の子はメニュー表と、羊皮紙の切れっ端とペンをを俺の前に置いた。
手慣れている。この仕事が長いのだろう。
「あの、表の看板に書いてあったランチをお願いします」
「ミートソースドリアですね。かしこまりました」
「いやサイゼじゃねーか!!!」
「え」
「圧倒的な安さ、番号を書いて渡す方法、そしてミラノ風ドリア……。イタリアンカフェレストランサイゼリヤじゃねーか! まさか知らないとは言わせねぇぞ!」
「お、お客様、なぜミラノ風のことを……!」
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