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「異世界なら猛者集まる酒場であれよ! ステーキ肉とか硬いパンとか出ろよ! なんで前世で何度も食ったミラノ風ドリアに出会うんだよ!」
「とにかく大声をやめてください、お客様」
あ。
気づくと俺は店内の注目を集めまくっていた。
客層は普段着の町人や軽装の商人が多い。
冒険者の荒々しさとは程遠いが、俺はそんな穏やかな人々から顰蹙を買っていた。
「あれよ、あれ。カスハラってやつ」
「大陸からの旅行客かしら」
「他の人の迷惑も考えてくれ」
と、ヒソヒソ声が聞こえる。
「す、すいません……」
俺は大人しく着席した。
「お客様」
ウェイトレスの女の子は微笑み、
「少々お話ししたいことがありますので、ランチタイム終了までお待ちいただけますか?」
と言った。
あれ。これ、俺しばかれんのかな。
俺は戦々恐々としながらランチタイム終了を待った。
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