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「ほんと、マジで、マジで良かった。まさか同じ異世界転生人と会えるなんて。サイゼっぽくしといて良かった」
「お、おう……。なるほど、同じ転生仲間を見つけるためにわざとやってたんだな」
「いやそれは必要に駆られてだったんだけど」
「ああそう……」
あれから約2時間後。
ウェイトレスの女の子は、接客モードから完全に友達モードに変えて迎えてくれた。
やっと同じ境遇の人間に会えたと喜び、やたらハイテンションだ。
良かった、しばかれなくて。
「私は伊倉加奈。前世は普通に女子高生だった。みんなカナって呼んでるから、あなたもそう呼んで」
「俺は秤慈郎。俺も高校生だった。こっちではロージーで通してるからそれで」
「ロージー……」
「引くなよ。居候先の人がそう呼んでんだよ」
それから俺たちはお互いの境遇を話し合った。
俺は魔法都市の外れで魔法使いの家に居候していること。
カナは魔法都市に隣接するこの町で住み込みで働いていることを。
「やたら難しいまちがいさがしを作るのも考えたんだけどね。羊皮紙高くって」
「高いなら注文の時の羊皮紙ももったいなくねぇか?」
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