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「なんて、僕のせいだよね。前回の街歩きのときもそうだったんだろうけど、僕の気持ちがはっきりしないから」
なんだ、わかってるんじゃない。
それがわかるくらいに余裕があったのかと思うと、無性に悔しくなる。
「だから、次からはもっとリラックスしてほしいっていうか、心のままに楽しんでもらえたら嬉しい」
そうしたいけど、そう簡単にはできないだろうな。
むしろ、付き合うことになったら、どきどきは増すだろう。
もっと好きになってもらいたいって夢中になるだろうし、ちょっと失敗したらすごく落ち込みもするんだろう。
「……わかった。ちなみに、副島さんはどうなの?」
「どうって、何が?」
たまに出てくるこの感じ、ひょっとしてこれが自然体なのかな。
とぼけてるっていうか、遥に言わせようとするこの感じ。
「私と一緒にいる間、自然体でいられてるの?」
遥が見る限り、一日を通して感情の起伏は大きくないように思える。
将司だって緊張していいはずだけど、隠していたのか、あるいはこれが素なのか。
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