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それから七日後、店を閉めているのにもかかわらず、戸を叩く音が聞こえてきた。
霊斬が戸を開けると、依頼人だった。
霊斬は依頼人を奥へ通す。
向かい合うと依頼人が口を開いた。
「あれから、芹野家はなんらかの罰を受けると瓦版を読みました。他にも悪事に手を染めていた者達の溜まり場だったそうだ。そやつらも漏れなく、刑に処されるとのこと。感謝する、芹野家を壊してくれた」
「私はできる範囲で〝お手伝い〟をしただけですよ」
霊斬は苦笑を浮かべた。
「報酬は、これくらいでいいだろうか?」
依頼人は言いながら、小判二十五両を差し出してきた。
「こんなに……。よろしいのですか?」
「うむ、あの芹野家を壊した。この額では足りぬくらいだ」
「では、ありがとうございます」
霊斬はそう言って小判を受け取り、袖に仕舞った。
「なにかありましたら、また、お越しください」
霊斬は頭を下げた。
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