最終話 喫茶うたたねの魔法

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「今年は海行こうぜ。鷹取も海に入る。オッケー?」 「は?いやいや、無理です。僕、海は見る派です」 「何言ってんのよ。入ってみたら楽しいかもでしょ」 「そうそう。どうしても無理だったら、見てる派に戻って良いからさ」 「お祖父ちゃんも一緒に行って、またクリームソーダでも作ろうよ」 「またって事は一度経験済み? 良いなあ、楽しそう。じゃ、決まりな」 「てなわけで、とりあえず明後日の休みの日に! 今からお祖父ちゃんを誘いに、うたたねへ向かうぞー」 「違います、僕は今から仕事に行くんです」   勝手に盛り上がるふたりのお陰で、体感温度まで上がったような気がする。  敦士君―― 「え?」   思わず振り返った。  翼―― 「呼んだ?」   翼さんも辺りを見回して「気のせい?」と再び歩き出した。
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