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手にしていた色鉛筆を置いた。
ふと顔を上げると、窓辺の棚にあるノートパソコンの黒いモニターが、俺の顔を映して現実を突きつけてきた。
いかにももっさりしていて、頼りなげなたれ目と、洒落っ気の欠片も無い毛量の多い髪。
うんざりしてノートパソコンを閉じた。
シャワーを浴びた後だというのに、発芽したみたいに跳ねている前髪を手櫛で馴染ませた。
相変わらず外は、太陽がぎらついていた。
白いどっしりとした夏雲が、この世界において誰も気にも留めないであろう脇役――それどころかゲームの世界であれば名もない雑魚キャラな俺を見下ろしていた。
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