目覚め

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「だ、大丈夫です」  声の違和感に不安になりながらも、とりあえず起き上がろうとして、声以上に違和感を覚えました。  ?  なんだか身体がふわふわするといいますか、軽い。  驚いて両の手を眺めると自分の指ではないのです。とても小さく細い。まるで子供のようです。  あわてて顔に触れて造形を確かめますが如何せんもちもちとした感触しかありません。  身体も触れてみると薄くて細い頼りない身体つきです。  高級そうな肌触りの良いひらひらとした民族衣装のようなスカート姿です。  ――性別は女子かと。  晩酌していたではありません。  ひとしきりたしかめて一人でショックを受けていると、青年は少し苛立ったような口調で、 「元気そうだったら起きてくれるかな。今日中に街に戻りたいんだけど」  そう促されて私は慌てて立ち上がりました。  どうやら私が寝かされていた場所は簡易的に布で作られたテントの様です。  私が退()くと青年は慣れた様子で木の棒と布を片付け始めます。  手伝おうかと思いましたが、素人が手を出すと余計に手間がかかることも社会人としてわかっていますから、そっと後ろで見守ります。
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