ひとりぼっちの竜が眠る場所

下山

　といったら侮蔑(ぶべつ)するかのような眼差しでため息をつかれてしまいました。

「監視もしてるんだよ。人気(ひとけ)がないってことは犯罪の巣窟になるからね」

　まぁ万が一本物が発見された場合、爆発的な値が付くのでしょう。
　偽物でもこの地の灰を精製したものは普通の薬よりも多少の効果があるとか。
　それが裏組織での資金源にもなりかねないようで。
　うーんこの世界、意外にお気楽ではないようですね。

「クゥコさんはおひとりで監視をしてるんですか？」
「いや。各地にこういった場所があって、他に人もいる。あそこは定期的に僕が訪れる場所の一つだよ。そうしたら君が横たわっていたから」
「それは驚きますよね」
「そうだね。儀式かと思った」

　儀式……。
　竜を呼び寄せる人身御供とかでしょうか。