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無理して気丈に振る舞っていたが、たび重なる心労もたたり、クレアはとうとう熱を出して寝込んでしまった。医者には過労と診断された。
熱で魔力が不安定になっているらしく、自分に対して治癒術を発動することもできない。上級神官が調合してくれた風邪薬を意識が朦朧としながらも飲み、クレアはそのままベッドで眠りについた。
聖女が倒れた。
その事態を重く受け止めた神殿は、議会の異議を押し切り、聖女の身柄を神殿で預かることを決定した。高熱でうなされていたクレアが次に目を覚ました場所は神殿内だった。
だが平熱に戻ってすっかり元気になった聖女は、今も病気療養中という扱いになっている。
聖女の奇跡にすがる民を放ってはおけないと部屋を出ようとしたら、身の回りの世話をしてくれる側仕えがずらりと扉の前に立ち塞がった。
年嵩のまとめ役が前に出て、まずは自分の体と心を労ってください、となだめられた。
とはいえ、自分は聖女だ。はいそうですか、と素直に引き下がるわけにはいかない。
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