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野次馬が引き、グレイ様と互いの無事を確認しほっと安堵した。
宝石が盗まれた話を先程知った姫は妃に「お母様どうゆう事?」と妃に説明するようにねだったが妃は姫に謝りながら娘になんと説明しようか考えこんだ様子だった。
すると自分も報告しなければならない事を思い出しすぐにグレイに宝石の種類が分かった旨を伝えた。
本物が戻ってきたから自分の宝石探しは無駄足で終わったと思ったが一応妃に報告すると妃は以外にも
その宝石名を聞き「やっとこの宝石の事が知れてよかったわ」と笑顔だった。
実はルビーとサファイヤは色が違うだけで元は同じ石だ。
情熱や勇気の宝石言葉を持つルビーと誠実、忠実を意味するサファイヤ。
王の母は宝石言葉まで分かっていたのかは知らないが新しい場所で王と運命を共にする花嫁に送るには実にピッタリな石ではないかと関心した。
そうしてティアラは修理ではなく姫のリクエストから新たにデザインは変わらないが、ティアラの額に銀の鎖と一粒のカラーチェンジサファイアを取り付けて生まれ変わった。
姫が試着をした姿はまるで聖母みたいに美しかった。
妃はそれを見て目頭が熱くなったらしい。
姫はお母様ったらと笑ったが最後は一緒になって涙をし妃と抱き合っていた。
それから姫は馬車で隣国に送られ結婚式は盛大に行われた。
式までの見送りはグレイが手腕を発揮して見事に進め、エメは王と妃からの計らいで式に出席し無事、姫の嫁入りを一緒に祝った。
姫の姿を見た王子も感極まったのだろう。
そしてそんな王子に姫は惹かれたのだろう。
大丈夫だから落ち着いてと王子にさとして神父の前に向き合う2人の姿は実に教会にいた皆に暖かい視線を送られながら素晴らしい式となった。
素晴らしい式だった。
帰りの馬車でさっきまでの王子と姫の結婚式を思い出していた。
一時はどうなるかと思ったが無事式が終わってよかったと思う束の間、心の中にモヤが残る。
ティアラを修理している時にグレイに「あの時はあなたに庇ってもらい助かりました」と礼を言われた。
「思った事を言っただけです」と答えた。
「宝石店の売り子よりも探偵の方も向いているのでは?」
と彼がどこまで本気に思ってるか分からない事を言ってきたので
「嫌ですよ。宝石好きで探偵なんて殿方に嫌煙されますよ」と返した。
そうですかねーとまだ言う彼はがどこか楽しそうなで本当に意地が悪い!
と少しでもときめいた事に少し後悔した。
「でも、結局犯人までは分かりませんでした。
なぜ犯人がそうしたのかも・・・」
そう言うとグレイは
「宝石は無事見つかり、ティアラは無事に完成しました。それに無理して知らなくて良い真実もあるかもしれません」
と口にした。
「?」
なにか知ってそうな口ぶりだ。
しかし、グレイはあえて話題を逸らした。
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