2人が本棚に入れています
本棚に追加
第十三章 インタビュー
エントランス前で、女性レポーターの髪やメイクのチェックが終わると本番の撮影が始まった。
女性レポーターがカメラに向かって説明する。
「えー、ただ今、10年前に起きた火災事故で幽霊が出るという噂のマンションに来ています」
ーーーええ?!やっぱり!あの管理人。嘘ついてたのね。
管理人を睨みつけた。
エントランスでの撮影が終わると、管理人室の若い男に挨拶をして、狭いエレベーターにカメラマンと住職と夢香で乗る。
夢香は505室の前まで来たので鍵を開けようとした。
「大丈夫です。
鍵は管理人から預かっています」
『そうなんですか』
夢香がドアから離れると住職が鍵を開けた。
「あの若い男性が管理人さんだったんですね?」
とカメラマンが聞いた。
ーーーあの人が管理人?管理人はあのおじさんですけど。
夢香は心の中でツッコんだ。
住職がドアを開けて入って行くと、続いてカメラマン、照明係などのスタッフがゾロゾロと入って行く。
狭い部屋はあっという間にいっぱいになった。
住職は部屋に入り四隅に向かって念入りに祈祷し、部屋の真ん中に座った。
スタッフがカメラ位置やマイクの位置を確認しながら打ち合わせを始める。
栞里が『なんか本格的ね。ドキドキする』と嬉しそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!