第十七章 believe

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第十七章 believe

 夜が明けて住職と撮影スタッフが帰ると、部屋に陽向一人だけになった  日の光が差した部屋を見渡す。  花瓶の青い花に目が止まった。  勿忘草。  フッと心が温かくなった。 「ありがとう。姉さん」  5月の静かな日差しの中で、駅に向かう彼の歩みは次第に力強くなっていき、やがて人混みの中に消えて見えなくなった。 (おわり)
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