第七章 対策

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第七章 対策

『私は壁なんか叩かないわ。 それでどうしたの?』  栞里がバームクーヘンを頬張りながら身を乗り出して聞いてくる。 『起きたらやっぱりいないの』  栞里が『でしょ?』という顔でテーブルを叩く。 『‥‥霊現象よそれ。TVでよく見る』 『無理!どうしよう』  夢香は泣きそうな顔をした。 『どうしようって‥‥。 私達の手に負えないから、専門家に頼んでみるとか?』 『専門家って‥‥『○○の母』とか?』 『それは占い師でしょうが。 霊的なものだから霊能力者とか霊媒師とかお坊さんとか。 この近くにお寺があるからそこの住職さんに頼んでみれば?』 『お寺なんてあったっけ?』 『あるわよ』 『住職がイケメンで、テレビによく出たりしてるの』 『幽霊退治とか出来るの?』 『退治って(笑)。 霊が見えるらしいよ。 テレビの心霊番組にも出てるから』
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