Emergency Call

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今日行われる航空自衛隊と海上自衛隊の合同演習には、本来ソラ達の戦闘機も参加予定であった。 しかし、早朝の緊急発進命令を受けて出動した彼女達は、体の負担を考慮されて演習への参加は見送られ、その代わりに彼女達には、本来の母艦である出雲型護衛艦には戻らずに、硫黄島基地のアラートハンガーにて待機する命令が下された。 そうしてソラ達が硫黄島基地に舞い戻った数時間後、予定通りに開催された空・海上自衛隊の合同演習は無事に終了し、アラートハンガーで発進待機をつとめていたソラ達の元にも、彼女達の交代要員となる航空自衛隊のパイロット達が現れ、ソラ達は引き継ぎのために航空自衛隊のパイロットに申し送りを済ませた後、自分達の戦闘機を母艦である出雲型護衛艦に戻すために格納庫から発進させ、硫黄島基地の滑走路へと向かって走り出した。 ソラ達は愛機と共に滑走路に向かう途中で、自分達と交代した航空自衛隊のF-15戦闘機が、ソラ達の戦闘機に変わって格納庫に牽引されて行く様子を横目で見ながら滑走路に到着する。 その後ソラ達は管制塔から離陸許可を得て滑走路から離陸し、無事に母艦への帰還を果たすと、二人はそのまま自機を母艦の格納庫に収容した後、気晴らしに出雲型の飛行看板に繰り出し、しばらくの間他愛もない雑談に興じた。 すると二人は、自分達の元に接近してくる聞き慣れないエンジン音をした航空機を発見する。 日がくれ始めた空に映し出されたその航空機のシルエットは、いくら二人が聞き慣れないエンジン音であったとしても、その正体は一目見ただけで何かが分かる程特徴的な航空機であった。 「オスプレイ? あんな機体、明日の演習の参加予定にあった?」 突然の来訪者の登場に、慌てて演習に参加予定の機体であるかをアイカに確認したソラだったが、ソラから質問されたアイカは、さあ? と首を傾げるばかりであてにならない。 間もなくすると、硫黄島基地に着陸するために出雲型の真上を通り過ぎたオスプレイのノーズアートを見たソラが、何かに気が付いたように突然叫んだ。 「私あのロゴ見たことある。あれは確か、オーシャンライナー隊のノーズアート…………え? ええ!? コノハ大尉!?」
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