マヨイミチ

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広い世界にぽつり独りいるみたいだ どこに行くかさえ分からない 右に曲がっても望んだ世界があるとは限らない 左に曲がっても望んだ世界があるとは思わない これからどこに行こうか? ただ相棒は僕の影 真っ直ぐ歩いていたはずなのに 気づけば右も左も同じ景色 陽は容赦なく僕を射す どんなに辛くても 誰も歩けないのが僕の人生 落ち込んで辛くても掛かる声は遠い世界 帰る世界は僕の世界 そう、誰かが差し伸べた声が温かいんじゃない 誰かの声を素直に聞き入れたあなたが温かいのだ そう、涙にまみれた雨が冷たいんじゃない 生きることに背を向けたあなたが冷たいのだ 闇は僕を包み光を求め踠いている 暗闇の中で蠢きながら自分のみが正しいと信じ 世界の誰もが本当は辛いことを抱えて 歩くのを止め怯え眠っている だけどそこに誰かが気づき 一歩踏み出し道を作る時 人はそれに人生と名を打つ 歩き出せたことで辛い存在を気づけるものだと気づき 砂漠の中の一滴の水のように 海の中の一粒の砂のように 辛い世界を生きていくと決めるものなのだ そう、差し出された手が温かいんじゃない 生きていくことを選んだ、そう、それが温かいのだ そう、生きているあなたが温かいのだ
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