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隣に引っ越してきたのはペンギン
あ゛ーー、飲みすぎたかな・・・
今日は休みだからと思って昨夜は、ついつい飲んでしまった。アパートの部屋についてからの記憶がない。っていうか、どうやって帰ってきたかな。前にも、したたか飲んで部屋の中に工事現場の赤いコーンを持ち込んだことがあった。
まさか、またやらかしてないだろうな。
起き上がると頭が痛いしくらくらする。目を無理やり開けてみたところ
特に変なものは転がってなかった。
「やれやれ・・・」
頭が痛いのは我慢して起き上がって水をコップに注いでいたときだった。
ピンポーン、ピンポーン・・・
玄関でチャイムが鳴った。なんだ?宅配便かな。なんか頼んであったっけ・・・。
まだボー―ッとした頭で、水の入ったコップをもったままドアを開けると
誰もいなかった。
いや、いたんだけど。最初は目に入らなかったというか、まさか自分の膝くらいの高さの生き物なんて思わないだろ。しかもペンギンだ。え、ペンギン?これは、どこかの動物園から逃げてきたのか?
「あのう・・・」
という遠慮がちな声がペンギンから聞こえた。
「隣の部屋に引っ越してきたものです。よろしくお願いします。」
名刺となにかタオルのようなものを一生懸命ささげもってるペンギンをむげにはできないだろ。
「あ、どうも。ご丁寧に。」
つい頭を下げたのだが、頭を下げてもペンギンの目線にはならない。しゃがんでタオルと名刺を受け取って、なんとなく握手をしたらペンギンがびっくりしたように、さっと逃げて行ってしまった。
玄関に一人残ったオレ。
手には名刺とタオル。
えーと・・・夢?
まだ酔ってるのかな。
いま、ペンギンが来て引っ越しの挨拶をしていったような。
ありえないよな。うん、あれは夢だ。もう一度寝よう。
コップの水を飲んで寝た。
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