君の曲が私に届くまで、

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 希望も夢も、何もかもが手元から消え去った私に勇気をくれたのは。 『……――大丈夫、ずっとそばにいるから。』  画面越しの、顔も名前も知らない君だった。 「あと……3、2、1……!」  ――ピコン 《AOさんの新着動画がアップロードされました。》 「来たっ!」  お風呂上がり、まだほかほかしている私はパソコンをじーっと凝視していた。それはもう、パソコンに穴が空いちゃうんじゃないかってくらい。  興奮気味の気持ちを抑えつつも、マウスを操作して再生ボタンにカーソルを合わせる。  そして、ヘッドホンがきちんと接続されている事を確認して、ドキドキしながらクリックした。
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