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「っ……やっぱり、綺麗……」
途端、頭の中に響いてくる透明感のある旋律。
ピアノの軽やかなイントロから始まり、段々と楽器が増えていく。今回はドラムが少し落ち着いてるな……なんて考えながら。
その上にこの動画のアップロード者、AOさんのしっとりとした声が乗って聞こえてきた。
映像も凝っていて、淡い水色の空に無数の白い鳥が遥か彼方に飛んでいく。シンプルながらも、私の心は十分すぎるほどに揺さぶられた。
本当に、今回の曲も素敵……。
切ないのに、ゾワッと鳥肌が立つくらいの勢いと迫力があって、行き着く暇も与えられないほどのAOさんの曲。
それを聞き終え、私は即座に通話アプリにログインした。
「ラノさん! AOさんの曲リアタイしました!?」
《そぞらちゃん! もちろんリアタイしたよ〜〜〜っっ !! 今回のAOさんの曲もほんっっと良かったよね〜〜っ!》
「ですよね! いつもよりもピアノの旋律が切なくて儚くて……だけどその中に芯の強さも感じられて! これ鬼リピ確定ですよ!」
《分かるわそれ〜! もうね、AOさんのセンスが大爆発よね。AOさんがリアルイベントしてたら絶対に行くのに〜っ!》
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