君の曲が私に届くまで、

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 声かけちゃ迷惑かな……と一瞬戸惑うも、とりあえず軽く挨拶を口にする。 「おはよう、三雲(みくも)君。」 「……おはよ、楚空(そぞら)さん。早いね、今日も。」 「三雲君こそ。まだみんな朝の支度してるくらいなのに……いつも何時に来てるの?」 「今日は6時45分くらい。」  イヤホンを一旦外して、憂いているような眼差しを落とす彼に驚きを隠せない。  お、思ってたよりも早かった……。そもそもそんな早い時間に学校って開いてるの……?  6時45分に来ていたというクラスメイトの名前は三雲(あお)君。物憂げな表情をしている事が多い、ミステリアス男子だ。  三雲君とは席が近くだったから仲良くなった……というわけではなく、とあるアーティスト関係で度々話す仲となったのだ。  そのアーティストとは、もちろんAOさんで。
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