1人が本棚に入れています
本棚に追加
確か、去年の今頃だったかな。
『あっ、三雲君……! イヤホン落として――』
その時に微かに聞こえた、耳に馴染んだ曲調。間違えるはずのない歌詞に、私は瞬時に確信を持った。
『っ、三雲君もAOさんのファンなの……!?』
『……まぁ。』
『ほんと!? AOさんってほんっとーに凄い人だよね!? どの曲も強い思いがこもってるのが分かって、旋律が綺麗で……! 私ね【恋水色の飴】っていう曲が好きなの! 三雲君はどの曲が推し?』
『……楚空さんって、すごくAOのことが好きなんだね。』
『うんっ! 私、いつか直接AOさんに会ってこうやって感想伝えたいんだよね。……無理なお願いなのは、分かってるけどね。』
最初、三雲君は私の勢いに引いたかな……って思っていた。引かれても仕方のない事だと知ってたから。
けど三雲くんはそのままAOさんへの熱を聞いてくれて、相槌を打ってくれていた。
最初のコメントを投稿しよう!