異音

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妻が安心した表情を浮かべる。 専業主婦をしている妻には一番の心労をかけていたに違いない。 今は明るい顔をしているが、あの家にいたときには目の下にクマを作り、真っ青な顔をしていたものだ。 なんにしろ、それももう終わり。 今日から新しいスタートだ。 ☆☆☆ 今度の中古物件は快適だった。 駅もスーパーも近いし、今後カナが通うことになるだろう幼稚園も近所にある。 なによりも異音がしないという点は大きかった。 だが……。 「ねぇあなた」 「どうした? なんだか顔色が悪いな」 「最近また物音が聞こえ始めたの」
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