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「あぁ。次は、次こそは大丈夫だからな」
不安そうなカナの体を抱き上げて、家を出る。
そのとき、家の中からお経を読む声が聞こえてきた。
「これでもう大丈夫。悪い物は追い払いました」
誰もいないはずのリビングから聞こえてきた声にゾクリを背筋が寒くなる。
「早く、行こう」
ふらりと歩き出してめまいを感じる。
昼間に外に出るのは久しぶりのことで、体が思うように動かない。
誰もいないはずの家の中から、家族3人の安堵したような笑い声が聞こえてくる。
あぁ、またダメだった。
最後まで仕事をやりとげることができれば。
家主をしっかり呪い殺すことができていれば、この家に定住できたかもしれないのに。
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