4 同居の提案

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「同……居……?」  きんぴらごぼうをごくんと飲み込んだ。 「それでいいんじゃないかな」  自称犬でも性別上は男性だ。  しかし、私はモテる女ではない。  私が男ばかりの世界にいたとはいえ、私に色気のある話は皆無で、上の料理人も後輩たちも、腫れ物にさわるかのように距離を置かれていたような女。  いつも仕事のことばかり考えていたから、話題もそればかり。話しても相手を楽しませることができる女ではない。  そんな私がずうずうしくも『男性と二人暮らしで襲われるかも』などと、口に出していいものかどうか…… 「どうかした?」 「いいえ……なにも……」  シェアハウスと思えば、変に意識するほうがおかしい。 「俺は一階の部屋を使ってるから、そっちは二階を使って」  一階はお客様用、二階スペースは家族で暮らすための部屋。それから、忙しい日には手伝いの人が泊まるための部屋もあるから家は広い。  二人で暮らしても、お互いの生活を邪魔しないくらいのスペースはある。  私が色々考えていると―― 「狛犬様。買いに来たよ」 「今日のおすすめは~?」  お客様がやってきた。
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